役を演じて非日常体験シリーズ7

平成26年1月16日、23日、30日に講座を行いました。
今回は、「伝える」をメインテーマとして第一回目は「声」。伝わる声と伝わらない声の違いについて、声を向けるベクトルについて体験しました。第二回目は「言葉」。言葉の意味を理解させるのではなく伝える方法とは?言葉が持つ意味に、話者の気持ちをどうのせるか、ということを考えました。そして最後の第三回目は「身体」。その様子をレポートしました。
上手な役者さんというのは、役によって身体の使い方も違います。日常では中々意識しない「身体」を意識することにします。
まず初めに、目を閉じて発声。人によって、目を開いているよりリラックスする、逆に声が出にくいという意見が。視覚が遮断されることで、他の感覚が敏感になっていくことを感じられたようです。
次に、二人一組になり、一人が目をつむり、もう一人が思い思いのポーズをとります。目をつむったまま、そのポーズをとる相手を触り、同じポーズをとる、という簡単なゲームのようなものを行いました。手の先や、足の組み方、どの関節が曲がっているのか、など、体を単純に認識することはとても難しいようで、最初は中々苦戦する参加者の皆さんでしたが、丁寧に相手の体に触れ、自分の体に落とし込んでいくことで、難しいポーズも見事に再現している組が多くありました。
その後は、もっとお芝居的な内容となりました。二人組が前に出て、十秒間、言葉は発さず、与えられた役柄を演じてみます。演じる場所の設定は電車の中。演じる役柄は、「女子高生」や「八十歳くらいの女性」「若手サラリーマン」や「八歳の子供」など。それぞれ本人とは少し違った年齢、人柄の役が与えられ、思い思いに演じてみます。その姿を見て、参加者全体でどうするとより役柄らしくみえるのか考えていきました。
姿勢や、重心の置き所、表情、視線、鞄や携帯の持ち方など、年代や性別によっても着目点が違ったり、目から鱗のような意外な意見が出たりと、参加者の皆さんの観察力や実体験による面白い意見が飛び交いました。実際にそれをふまえてもう一度演じてみると、最初よりずっと与えられた役柄に近づいて見えました。
最後は、「歩く」という身体性を考えました。歩くことは、さらに身体を意識する動作です。また別の二人組で、上手下手から登場し、すれ違い会釈をする、という動作で、場所や関係性はそれぞれ変えながら、演じてみました。歩くという行為は必ず目的のある動作です。参加者の方によっては、その理由まで感じさせるような身体性を表現したり、異性を演じてみたりと、それぞれが今回で学んだことをどんどん取り入れており、とても多種多様な身体性が表現されました。

日常生活でも、あんな風になりたい、と思ったとき、その人の真似をしてみることで、結果として内面もなりたかった人物に近づくことができるのではないか、という久保田佑講師の話が印象的でした。
自分自身の声や言葉、身体について向き合う機会は、日常では中々ありません。来年もこのシリーズは開講する予定です。参加された方も、この講座で初めて演技に触れる方が殆どですので、興味をもたれた方は、是非参加してみてください!
レポーター  原田 萌

「電車の中」の光景を演じる参加者。
どんな人物か、わかるでしょうか?
講座風景

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